「ご笑覧」の意味・使い方と例文

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「ご笑覧」の意味

「ご笑覧」とは「笑って見てやってください」という意味です。「見る」の尊敬語には「ご覧」「ご高覧」などがありますが、「ご笑覧」は謙譲語です。「ご笑覧」を使えるのは、相手に見てもらうものが「自分が作製したもの」「自分の手で作り出されたもの」と決まっています。

たとえば自分が撮った写真や、自分が書いた本、絵など相手に対して「見るに値しないものですが」という謙遜の意味を込めて「ご笑覧ください」とします。「ご笑覧」という言葉は元々ある「笑覧」という言葉に丁寧語の「ご」を付けたものです。「笑覧」は「つまらないものですが、見てください」という意味なので、その「笑覧」を丁寧にして「ご笑覧」という言葉になっています。

「ご笑覧」の使い方

「ご笑覧」は目上の方に使う

「ご笑覧」という言葉は謙譲語なので、目上の方に対して使います。自分が相手に見て欲しいと思ったものを見てもらう場合の口頭や、その物と一緒に同封する手紙などに文章で書いて使う言葉です。

「ご笑覧」の注意点

「ご笑覧」という言葉は、使う側からすれば「こんなものを見てもらうのは恥ずかしい気もしますが」という謙遜の気持ちで使います。しかし「ご笑覧」を使ってはいけない場面もあるので注意しましょう。

たとえば仕事に関わることや、丁寧に、真剣にやることが当たり前とされている物については「ご笑覧」は使いません。「笑い事では済まない」と相手が感じる物に「ご笑覧」を使うととても失礼になります。

「ご笑覧」を使えるのは、あくまでも自分が趣味や道楽でやっているものや、それによって生み出された物のみです。

「ご笑覧」を同僚や部下に使う

自分と同等の方や目下の方に対して、自分が趣味などで作ったものを見てもらいたいときにも「ご笑覧」を使うことができます。しかし「ご笑覧」は謙譲語なので、口頭の会話では使いません。口頭では「良かったら見て」「趣味で作った物なんだけど見て欲しくて」など直接的な表現を使うのが一般的です。

同僚や部下に対して謙譲語を使うのは主には手紙などの文章です。文章では、相手との立場に関係なく尊敬語、謙譲語を使います。

「先日の旅行のお土産を送ります。同封した写真は私が趣味で撮ったものです。よろしければご笑覧ください」などとすれば、正しく嫌味なく「ご笑覧」が使えます。

「ご笑覧」の類語

「ご高覧」

「ご笑覧」は自分の趣味や楽しみで作ったもの、生み出したものについて使われますが、仕事の上での書類や作品など、相手に真剣に見てもらいたいもの、または相手にとって真剣に見るべきものについては「ご高覧」を使います。

「ご高覧」とは「見る」の尊敬語で「高」という文字が入っていることから「高い位置から見てください」というニュアンスを持っています。これは「ご高覧」という言葉を使う側が、相手のよりも下にへりくだっている様子を表すため、尊敬語として申し分ありません。

「先日お話した企画書をお送りいたします。ご高覧のほどお願い申し上げます」などとすれば、失礼なく「見てください」という内容を伝えることができます。

「ご高覧」という言葉は主に文章で使われますが、口頭で使っても差し障りはありません。しかし口頭で「ご高覧」と言うと、やや大げさと受け取られることもあるため、「ご覧ください」「ご覧いただければと存じます」など「ご覧」という言葉と上手く使い分けると良いでしょう。

「ご笑納」

「ご笑覧」と似た言葉で「ご笑納」があります。「ご笑納」とは文字通り「笑って納めてください」という意味です。この場合の「納める」というのは「もらってください」という意味です。誰かに贈り物をしたときの書き添えなどに使われます。

「趣味の陶芸で茶碗を作りました。○○さんのイメージ合わせたつもりですが、いかがでしょうか。よろしければご笑納ください」などと使うことで、相手に対して「気楽にもらって欲しい」と伝えることができます。

しかし、この「ご笑納」もビジネス上必要な物などについては使いません。冗談にならない場面では「ご笑納」ではなく「お納めください」「ご査収ください」などが一般的です。ただ受け取ってもらいたいだけの場合は「お納めください」、良く確かめてから受け取って欲しいものは「ご査収ください」を使います。「ご査収ください」は請求書や契約書など、良く確認をしておかないと後々お互いに困ることになるものに添えられる言葉です。

「ご清覧」

「ご清覧(ごせいらん)」とは「ご高覧」と同じ意味を持つ「見てください」の尊敬語です。「ご高覧」の方が頻繁に使われますが、「ご清覧」と「ご高覧」に品格の差はありません。違いがあるとすれば、文字から受ける印象です。「ご高覧」には「高」という文字が入っていることから「高く掲げて渡すイメージ」がありますが、「ご清覧」は掲げるイメージよりも謹んで渡すイメージが強くなります。

そのため「ご高覧」は立場の上下が明確なビジネスの場で使われ、「ご清覧」はプライベートなお付き合いで相手に対して静かに敬意を払うようなイメージで使われます。

「ご笑覧」の例文

  • 「先日釣りに出掛け、大きな鯛を釣りました。そのときの魚拓を同封します、ご笑覧いただければ幸いです」
  • 「趣味で始めた社交ダンスの大会に出場しました。同封したのはそのときの写真です。ご笑覧ください」
  • 「先日、私の始めての本が出版されました。ご笑覧いただければと思い送らせていただきます」
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