「ひとしおです」の意味・使い方と例文
スポンサードリンク
「ひとしおです」の意味
「ひとしお」とは「ひときわ」「より一層」「なおさら」など「今までよりもっと」という意味を持つ言葉です。これまでの状態がさらに強くなる、大きくなるという状態に使われますが、これは「人の気持ち」についてしか使われません。人の感情が何かのきっかけによって今までよりも強く、大きくなったときに「ひとしお」という言葉が使われます。
「ひとしお」は、漢字で書くと「一入」です。「一入」の語源には諸説ありますが、もっとも有名な語源は「染め物をもう一度染料の中に入れる」から来ていると言われています。染め物をもう一度染料の中に入れるとそれまでよりも色合いが濃く、深くなることを、人の気持ちに例えたと言われています。
しかし「ひとしお」を「一入」と書くことは一般的にあまり広くは知られていません。そのため手紙などで「一入」と書くと、相手によっては意味が伝わらないことも多いため、ほとんどは平仮名で書かれます。
ちなみに「ひとしお(一入)」以外にも「ふたしお(再入)」「やしお(八入)」「ももしお(百入)」という言葉もあり、それぞれ「ひとしお」よりもより強い気持ちの変化を表しますが、これらは日常会話で使われることはほぼありません。使ったとしても相手が理解できない可能性がかなり高いため会話が文章で使われることもないでしょう。
「ひとしおです」の使い方
「ひとしお」を目上の方に使う
「ひとしお」は感情の変化を表す言葉で、特に目上の方に使ってはいけないということはありません。相手の感情の変化、または相手と話している自分の感情の変化を表す言葉として「ひとしお」を使うことができます。
たとえば、目上の方が明らかに喜ぶ、感動するような出来事があったときに「思いもひとしおでいらっしゃるでしょう」「お喜びもひとしおですね」などとして、相手の気持ちの高揚に同調することができます。
さらには、相手が日頃から思いを入れている物事に対して「○○様の思いがひとしおであることは存じております」「お気持ちもひとしおでしょう」などとすることもできます。「お嬢様への思いはひとしおでしょう」「このプロジェクトへの思い入れはひとしおかと存じます」など相手の気持ちを言葉にすることで、共感することができます。
「ひとしお」を同僚や部下に使う
「ひとしお」という言葉は自分と同等の立場の人や目下の方へも使うことができます。使うシーンは目上の方へ「ひとしお」を使う場合と同じです。相手の感情の高まりや、熱意を感じていることについて「ひとしお」という言葉で同調・共感をします。
「君が熱心に取り組んでいることは知っていたよ、上手くいって君の喜びもひとしおだね」「お子さんの入学式は感動もひとしおだったんじゃない?」などと使います。
「ひとしお」はポジティブな感情に使う
「ひとしお」は人の気持ちがより強く、大きくなったときに使う表現ですが、その気持ちはポジティブなものとされています。喜び、感動、楽しさ、期待など前向きに捉えることができる気持ちに対して使うのが「ひとしお」です。
反対に悲しみ、辛さなどについては「ひとしお」は使いません。ネガティブな気持ちには「なおさら」などを使います。
「ひとしお」は感情以外の感覚荷物変える
「ひとしお」は主には人の感情について使われますが、人間の感覚についても使うことができます。味覚や聴覚、触覚などがこれまでよりも強く、大きく、敏感になる様子を「ひとしお」で表します。
「こんなきれいな部屋でこんな豪華なものを食べるなんて、おいしさもひとしおだよ」「ひとしお良い香りがする」などとして、喜びや感動がさらに強くなる様子を表すこともできます。
「ひとしおです」の類語
「なおさら」
「ひとしお」の類語として使えるのが「なおさら」です。「ひとしお」に比べるとややカジュアルで特別感はない言葉ですが、ものごとや気持ちが「より強くなる」「より大きくなる」という意味があります。
「ひとしお」と同じようにポジティブな感情にも使えますし、ネガティブな感情に使うこともできます。「そんなことがあったとはなおさら嬉しいね」「こんなときに体調を崩してしまうとは、なおさら落ちこんでいるだろう」など状況や相手の心情に合わせた使い方ができるので便利です。
「一際(ひときわ)」
「ひとしお」と良く似た言葉で「一際」というものがあります。本来「一際」とは「多くのものの中で特に目立っている」という意味です。「あの花は一際美しい」などと使われます。
しかし「一際」は感情について使われることも多く「一際感動したよ」「一際うれしい」などとして、これまでのどの瞬間よりも強く、大きく気持ちが動いたことを表すこともできます。
「ひとしお」と同じで「一際」という漢字があまり広く知られていないため、文章などでは平仮名でかかれることが多い言葉です。
「ひとしおです」の例文
- 「お喜びもひとしおでしょう」
- 「感動もひとしおです」
- 「ひとしお美味しくいただきました」
- 「ひとしお良い気分です」
スポンサードリンク