「早々」の意味・使い方と例文

「早々」の意味と読み方

「早々」という言葉は「そうそう」または「はやばや」と読みます。通常、ひとつの言葉に2つ以上の読み方があっても意味は同じであることがほとんどですが「早々」については読み方によって意味が異なります。

また「そうそう」と読む場合は「早々」という言葉の品詞が「名詞」の場合と「副詞」の場合があり、品詞の違いによっても多少言葉の意味が異なります。

「早々（そうそう）」と読む場合の意味

まず「早々」を「そうそう」と読む場合で、かつ「早々」が名詞の役割をする場合は「すぐ」「直後」という意味です。ある状態になってまだ時間がほとんど経過していない、まだ間もないという状態を「早々」と表します。

たとえば「着いて早々に食事をした」「入社早々遅刻をした」などと使われるのが名詞の「早々」です。「～して間もなく」「～してすぐに」という言葉に置き換えたとき、違和感がなければ、その「早々」は「名詞の早々」ということになります。

次に「早々」を「そうそう」と読み、かつ「早々」が副詞の役割をする場合は「すぐにやろうとすること」「今すぐにでも手を付けようとすること」という意味です。

たとえば「その件は早々に対処します」「この書類を早々に先方へ渡して欲しい」などと使われるのが副詞の「早々」です。「今すぐに」「なるはやで」などの言葉に置き換えて、違和感がなく意味が通じる場合は、その「早々」は「副詞の早々」ということです。

「早々（はやばや）」と読む場合の意味

「早々」と書いて「はやばや」と読む場合は「素早く」「さっさと」「早く早く」という意味です。「もっと早々（はやばや）と動いて」「帰ったら早々（はやばや）と準備をしなきゃ」などと使います。

しかし「はやばや」と読む場合の「早々」は「そうそう」と読む場合の意味とやや重複することもあり、区別することが難しいものです。口頭で「はやばや」と発音するのであれば、相手もニュアンスを掴むことができますが、手紙などの文章漢字で「早々」と書いても意味が伝わらない可能性があります。どうしても「はやばや」と読んで欲しい場合は平仮名で書いた方が間違いがありません。

「早々」の使い方

「早々」を目上の方へ使う場合

「早々」という言葉を目上の方に向けて使うことは失礼とされています。目上の方を「早々」を使って急かすことはビジネスマナーとしてはあまり良いことではありません。しかし、目上の方に「自分が早々とする様子」を「早々」を使って伝えることに問題はありません。

たとえば、上司や取引先の方へ「契約書は早々に作製いたします」「決まりましたら早々にご連絡いたします」など「自分が急いで何かを行う」ということを伝える場合に「早々」を使うことが出来ます。

目上の方の行動に「早々」という状態を伝えたい場合は「早急（さっきゅう）」や「迅速」を使うと良いでしょう。「早急にご対応いただきありがとうございました」「迅速なご対応に感謝いたします」などとすれば失礼がありません。

尚、目上の方に「急いで欲しい」と伝える場合は「期限が迫っておりますので早急なご対応を」など、急がせる理由を付けることと丁寧な言葉使いを心がけましょう。また「早急」「お急ぎ」などの言葉を使うだけでなく「～していただければ有難く存じます」「～していただければ幸いです」など、語尾にも工夫をすれば失礼なく、目上の方に急いでくださいという内容を伝えやすくなります。

「早々」の類語

「至急」

日常で良く耳にする「至急」という言葉を「早々」の代わりに使うことができます。「至急」とは本来、何か差し迫る物事がもう目の前まで来ているという状態です。急ぎの程度で言えば「早々」よりもさらに急ぐというニュアンスを持っています。

「至急取りかかります」「至急ご連絡いたします」など、自分が急ぐ様子を表す場合に使うと、相手に「急いでいる」という状態が伝わりやすくなる言葉です。しかしこれも「早々」と同じで、目上の方を急がせる場合にはあまり使いません。

「直ちに」

「直（ただ）ちに」という言葉は「すぐに」という意味です。「すぐに取りかかります」などと同じように「直ちに取りかかります」と使うことができ、「早々」と良く似た使い方ができます。「直ちに」は急ぎの程度で言えば「早々」よりも急いでいて、「至急」よりもやや遅いというニュアンスです。

「直ちに確認いたします」「直ちに伺います」など「今すぐに行動に移す」という様子を相手に伝えることができます。

「早急に」

「早急（さっきゅう）」は「早く、急ぐ」と似た意味の言葉が重なっています。「早く」だけでは足りず「急ぐ」という言葉も使っていることから、かなり緊急性の高い状態と理解することができます。急ぎの程度としては、至急とほぼ同じくらいと考えて良いでしょう。

「早急に現地に参ります」「早急な対処をお願いいたします」など、自分が急ぐときだけでなく目上の方に急いで欲しい旨をつたえる場合にも使うことが出来ます。

読み方は「さっきゅう」ですが「そうきゅう」と発音しても間違いではありません。

「早々」の例文

• 「帰って早々、こんなことになるとは思わなかった」
• 「起きて早々驚いた」
• 「出社したら早々に書類を提出してください」
• 「何か問題があれば早々にご相談させていただきます」
• 「明日も早いのだから、早々と寝てしまいなさい」