私事 の意味と使い方・例文
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「私事」 の意味と読み方
私事は、「個人的なこと」、「一身上の事柄」という意味です。そこから、個人的な秘密や隠し事の意味でも用いられますが、ビジネス上では主に一個人としての生活や家族に関することを指して用いられます。音読みの「しじ」と訓読みの「わたくしごと」という2通りの読みがあり、どちらの読み方をしても意味に変わりはありません。また、どちらもビジネス上の硬い会話や改まった席で使うことができます。
「しじ」 と 「わたくしごと」 の使い分け
「しじ」のような漢字熟語の音読みは、漢籍(漢文の書物)の読み下しがルーツですから、和語よりも漢語を多用するビジネス文書での読みに向いています。そのような「しじ」という読み方が習慣になっている例としては、「私事(しじ)にわたる」という定型句があります。話題が個人的な事柄に及ぶという意味で使われ、本人のことだけでなく他人のプライバシーについて述べる場合にも使われます。そのため、自分自身のことだけを指しているように受け取れる「わたくしごと」の読みはふさわしくないと感じられることから、「しじ」の読みが当てられているものと思われます。
「わたくしごと」という読みは、ビジネス文書上で使用しても一向に構いませんが、むしろ会話での使用に適しています。音読み「しじ」の同音異義語には指示、支持、師事など多くの漢字熟語があり、会話では意味を取り違えられる可能性がありますが、「わたくしごと」と言えば勘違いされる心配はありません。化学を科学と間違えないように「ばけがく」と読んだり、私立を「わたくしりつ」、市立を「いちりつ」と読むのと同じです。
なお、「わたくしごと」という読みは、「しじ」の読み替えとして生まれたとは必ずしも言えません。「わたくし」という言葉は、男女の一人称の丁寧語として江戸時代の初めころから使われていますが、元来は公(おおやけ)の反対語として「内向き」、「内々」の意味で古くから使われてきました。平安時代の『源氏物語』にも、その意味での「わたくし」という用例が見られます。従って、「わたくしごと」という言葉は、「内々のこと」(内部の事柄)といった意味で古くからあったものと思われます。
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「私事」 の例文
例文) 差し出がましいことを申しますが、故人の私事にわたることは、くれぐれも口外なさいませんようお願い申し上げます。
※ 私事の読みは「しじ」。
例文) 私事にわたりますが、私のいとこがワシントン市の大学に留学しておりますので、現地での案内を引き受けてくれました。彼は英語が堪能ですから、どうぞご安心ください。
※ 私事の読みは「しじ」。
例文) 私事にわたって恐縮ですが、私の3年間の駐在経験から申し上げれば、奥様とお子様を同伴されたほうが現地の人たちとお付き合いしやすく、信頼してもらえます。
※ 私事の読みは「しじ」。
例文) 私事で恐縮ですが、当日は娘の中学受験で親子面接に出掛けなければなりません。せっかくのお誘いですが遠慮いたします。
※ 私事の読みは「わたくしごと」。
例文) 鈴木様まで私事に巻き込んでしまい、ほんとうにお詫びの言葉もございません。これ以上ご迷惑をお掛けしないよう十二分に気を付けますので、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。
※ 私事の読みは「わたくしごと」。
例文) 私事で申し訳ありませんが、急用ができたので今夜は欠席いたします。他の皆様にもよろしくお伝えください。
※ 私事の読みは「わたくしごと」。
例文) 突然ですが、私事にて明日から3日間ほどお休みさせて頂きます。不在の間は高橋がご用件を承りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
※ 私事の読みは「しじ」または「わたくしごと」。
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