報告書の書き方と例文 (顛末書)
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「顛末書」の意味
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顛末書の「顛末(てんまつ)」は「始めから終わりまで」という意味であり、明治時代以降、「事の顛末」とか「顛末記」などの形で、事柄の一部始終やすべての事情を指してよく使われるようになった言葉です。顛末書という言葉は官公庁の公文書の呼称としても使われ、軽微な問題の報告書を指しますが、民間企業・団体では、比較的に重大な事故・過失・トラブルなどの問題が発生した場合に作成する詳細な報告書を指して使われます。詫び状的な始末書とは異なり、客観的な報告書です。
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顛末書の書き方
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顛末書は、正確で公平な記述になるよう当事者以外の関係者や総務部など管理部門の社員が書くべきです。しかし、実際には当事者が書くケースも少なくないようです。また、提出先は、社内(主に代表者)の場合と社外(取引先など)の場合があります。
記述内容は、問題発生の詳細な状況と原因のほか、当事者や関係部署の現在の状況、現在または今後必要とされる対策などです。なお、問題を発生させた本人が書く場合でも、客観的な報告書という文書の性格上、謝罪の文言など情緒的な言葉を入れるべきではありません。顛末書といっしょに謝罪の気持ちを表したいときは、別途、謝罪状・詫び状を作成しましょう。また、文体は、前書きを敬体(です・ます調)で書かなければなりませんが、それ以外は常体(だ・である調)で箇条書きにします。
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顛末書の例文
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代表取締役社長 富田芙貴子様
課長 内田献太郎
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先般、本社・食品研究室にて発生した粉塵爆発事故につき原因調査が終了致しましたので、下記の通りご報告申し上げます。
1. 事故内容 小麦粉による粉塵爆発
2. 発生日時 2016年3月29日 14時30分頃
3. 発生場所 本社7階・商品開発部 食品研究室
4. 当事者名 研究主任 佐瀬麻紀子
5. 事故原因と発生状況
佐瀬の不注意により、蓋を外した小麦粉の大型容器を調理台上で激しく転倒させたため、大量の小麦粉がシンク内と床面に飛散すると同時に、白煙のように舞い上がった。その小麦粉の白煙に調理台のガスコンロの火が引火し、粉塵爆発を引き起こした。小麦粉容器の転倒から爆発まで、一瞬の出来事であったという。さらに、爆発による粉塵は室内に立ち込め、一部は廊下にまで広がった。
6. 被害状況
当事者の佐瀬を含めて負傷者はなし。火災の発生はなく、建物・備品への被害は、調理台から落下した耐熱ガラス容器1個を破損したのみ。粉塵による室内の汚損が甚だしかったが、清掃作業によってすでに回復している。
7. 事故の反省点
東京消防庁では小麦粉・米粉等の穀物粉を「指定可燃物」に区分しており、当社工場ではその安全対策が実施されている。研究室に保管されている程度の小麦粉は規制の対象ではないが、取り扱いによっては容易に粉塵爆発を引き起こすことが実証された。多量の小麦粉・米粉・コーンスターチなどは、火気の近くで取り扱わないよう注意喚起が必要である。なお、この注意事項は、研究室員全員に対して研究室長よりすでに通達された。
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